花粉症(正確にはスギ花粉アレルギー)に悩まされてる方もいらっしゃると思います。私もその一人です。だいたい4月の中旬までのご辛抱ですが、当院でも点眼(必要とあれば内服も)処方してますので、いらっしゃっていただければ適切な治療させていただきます。
本日のテーマは、、、あれから10年ですね。10年前の今日みなさんは何されてましたか?
私は福島県南相馬市小高病院にて眼科外来で勤務してました。
揺れが始まった瞬間、背中から冷や汗が出て『尋常な地震じゃない』と感じたこと今でも思い出します。駐車場からは地割れし液状化現象した瞬間を目の当たりにしました。
当日、翌日は眼科外来は臨時休診。外傷で外科外来にいらっしゃる患者様が途絶えませんでした。本来であれば専門外ですが『縫合くらいは自分でもできます!』と言って、人生初めて肘やひざといった眼以外の箇所を縫合しました。
そして、福島第一原発の事故。小高病院は原発から約15キロ以内にある病院です。
小高の住民は避難をしましたが、私たちは入院中の患者様をかかえる立場です。院長から職員全員集合に『私たちは命を預かっている立場の人間である。入院中の患者を安全な場所に転院するまでこの病院を去ることはできない』とおっしゃいました。私も同意したと同時に、もしかすると今日が最後の日になるかもしれないという覚悟もしました。
事務員、医師ともども一生懸命になり入院患者の行き先が見つかり、職員総出で寝たきりの患者様を移動。全員の移動を確認し、私たちも小高病院から避難。
それから、小高病院から隣の公立病院に一泊。院長から、「小高病院眼科医としての任務終え、所属する大学病院医局へ戻るよう」と言われ東京の東邦大学へ戻ることとなりました。
地震後の出来事をまとめて書きました。
その後もいろんなことを考えることがあります。
一緒に働いていたスタッフの皆さん元気かな。通院していた患者様、無事かな。よく通っていた居酒屋のおじさん元気かな。
知るすべはありませんが、3.11という日でなくてもそんなこと考えたりします。
今の自分に、福島を南相馬を何か助ける、お手伝いするというのは当院を任されている以上困難です。
今私にできるのは、この様な経験を活かし、準備をし、このブログでもそうですが風化させないよう心に刻み込むことでしょうか。
ありふれた言い方かもしれませんが、被害にあわれた方のご冥福をお祈り申し上げます。飯田
投稿日:2021年3月11日|カテゴリ:院長ブログ